袋井市のクリーニングしみずのメンテナンス・コースが高い理由

まねしたい方は、責任は負いかねますのでご自由にどうぞ、ご覧ください。

ここでは、スーツの上着を例に紹介します。
右の写真はメンテナンス完了後の写真です。

1  採寸・洋服チェック・カルテの作成
お客様からお預かりしたスーツをチェックします。
ブランド、生地、裏地、ボタン、デザイン、シミ、汚れ、キズ、状態など細かく調べます。
ポケット、縫い代の裏側のホコリなどを除去します。
次に洋服の寸法を採寸します。
そして、これらをカルテに記入しカルテを作成します。
2 型崩れを防ぐため、しつけ糸を打ちます。
型崩れを防ぐためのしつけ糸をうちます。
ポケット、ダーツ、ボタンホール、肩パット、袖縫い代に丁寧に打ちます。
あまり早く縫おうとすると生地を傷つけてしまいますので、丁寧に打ちましょう。
3 しみ抜き、汚れの前処理除去
シミ、汚れがあれば、この段階で、できるかぎり除去します。
ドライクリーニング処理
ドライクリーニングで油性の汚れを処理します。
ネットにいれ、デリケートにやさしくドライ洗いします。
水洗い処理
次に、水洗いで処理します。
水洗いはネットに入れ、人の手で手洗いします。
原始的だと思う方もいるかと思いますが、服の状態が良く分かり、やさしく処理できます。

脱水も機械任せにせず、やさしく脱水します。
時々、他店を見学に行くと、親の仇のようにギュ~と脱水している方がいますが、ダメです。絞りすぎは、シワを通り越してキズになってしまい、
元に戻すことができなくなってしまいます。

次に乾燥ですが、その前に、寸法を測り、縮みをチェックします。
縮みの修正をしながら、シルエットを整形していきます。手でおこないます。


上の写真は、浜松市のマルミ テーラー様からお預かりしたフルハンド・オーダーメイドスーツを水洗いをした後、手で寸法を出し、形を整形したものです。
この後、一晩自然乾燥をします。

乾燥は自然乾燥で急激な熱乾燥はしません。
他店では、風船のように膨らまして乾燥・整形しているのをよく見かけますが、あの方法だと伸びすぎる危険があるので使用していません。
スーパー100’sを越えるやわらかい生地を使用しているスーツなどは、
簡単に伸びてしまいますので、細心の注意が必要です。
また、水洗い後のスーツの状態を見れば、上手い、下手がよくわかります。
上手い人はこの時にかなり良い状態にもっていきますので、この後のプレスがやり易くなります。


上の写真は、一晩自然乾燥した後のスーツです。
機械を使わずとも、良い状態になります。
仕立ての良いスーツほど、かなり良い状態に戻ります。

6 アイロンプレスでシルエット整形
電蒸アイロンを使用しテーラードプレスをしていきます。
が、まずは寸法を測り、縮み、伸びの状態を把握します。
そして、プレスにより寸法を出します。
プレスの手順を紹介します。

・  まず裏側から仕上げていきます。
上着の身かえし(前身頃の裏側)をみて、芯地から仕上げます。
この時、こて布を当て、霧を打ち、霧の蒸気を利用して仕上げていきます。
アイロンの蒸気はほとんど(とても少ししか)使いません。
裾からアイロンを当てていきます。
アイロンの当て方もサッと掛けるのではなく、アイロンが効くようにゆっくり掛けていきます。(同じ所に2~3秒くらい)
裾から胸にかけて掛けていき、胸のボリュームを出していきます。
この時、ラペル返り線からラペルもアイロンを掛けていきます。
つぎにそのままの状態から脇ダーツが真っすぐ中心になるようにセットして、裾からウエストにかけて掛け、ウエスト部分6センチほど伸ばすように掛けます。
そして脇に向かって掛け脇部分では、いせ込みながら肩甲骨のボリュームを出すよう、掛けます。
ウエスト部分に戻り、肩甲骨のボリュームを位置決めするようにアイロンを掛けます。
背中が中心になるようにし、裾が真っすぐになるよう置きます。
裾からウエストにかけて掛け、ウエスト部分を伸ばすようにかけて、背中心の上真ん中をいせ込むようにアイロンを掛け肩甲骨のボリュームを出します。
次に、鉄マン(小さな専用の馬)を使い、垂れ綿とアームホールを裏から掛けていきます。
アームホールは伸ばしてはいけませんが、縮んだ分は伸ばすように掛けます。
そして、肩パットにうつり、肩パット背中側から日本人特有の前肩を壊さないように掛け、肩線部分、前肩部分、ネック側部分と常に前肩のボリュームを意識してしっかり掛けます
上衿の裏のカラクロースを仕上げます。
衿の首周り量を確保するように、いせ込み、追い込みながら仕上げます。
ここから表地の仕上げになります。
肩パットは鉄マンを使い、前肩を意識して背中側から前肩側と仕上げていきます。
この時、袖のつけ根を意識して、肩線前後5センチくらいを真っすぐになるよう掛けます。
次に、袖の垂れ綿から袖の上部分を鉄マンを使い仕上げます。
垂れ綿から袖の上部分を前後に出して、薄くなるよう掛けていきます。
そして袖下部分を下袖から山袖とシルエットを考えながら仕上げます。
袖はあくまで薄く、袖口はナイフでスパッと斬った様になるように掛けます。
前身頃を地の目を通してまっすぐセットします。
裾からラペル返り位置、そして、裾、腰ポケット、胸ダーツ、胸ポケットとウエストの交差点を潰さないようにアイロンを掛けます。
上にずらし、胸からネックにかけて前肩を意識してアイロンを掛けます。
次に腰ポケットから脇にかけてウエストラインを意識して裾から仕上げます。
そして、そのまま上にずらし脇線がまっすぐになるようにセットしウエストから上の脇部分をいせ込むように仕上げ、肩甲骨のボリュームを出します。
そのまま前身頃側にずらし胸のボリュームを出すように仕上げていきます。
次に背中部分を裾から仕上げていきます。
手順は裏仕上げと同じように仕上ます。
ラペルを裏から見て、伸ばし過ぎないようにアイロンをかけシルエットを出します。
ラペルをかえし、ラペル3分の1を押さえるように、上衿部分にアイロンを当て、そして、衿周り量を意識して鎌衿になるようセットして上衿全体も掛けます。
最後に人台に掛け、全体をチェック修正してアタリ、テカリを消し冷やします。
これらの事を左右両方仕上げます。
寸法は都度都度、チェックして仕上げていきます。
アイロンを当てる時は、必ずコテ布を当ててからアイロンを掛けます。
(じかゴテ・「直接アイロンを生地には当てること」はしません)
大まかに書きましたが、アイロン掛けだけで大変な労力が掛かります。
 
仕上げにかかる時間は、背広上下で2時間以上かかります。
(以前は、上下1着仕上るのに4時間くらい掛かりましたが、現在は、2時間強くらいに短縮できました。まさに洋服との真剣勝負です。)
一晩置いた後、再度チェック、修正して完成になります。

*アイロン掛けだけでも2時間以上掛かります。正直、儲かりません。
(初めの頃は4時間以上掛かりました。)
水で洗うことがどれほど大変かお解かりいただけたでしょうか。
 
時間短縮がまだまだできるか、いろいろ研究していきたいと思います。
まだまだ時間はかかりますが、がんばります。



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