袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
「浜松のマルミテーラーさんから紹介されて来たんですけど」 とお客様がご来店されまして、
HARDY AMIES(ハーディエイミス)のオーダースーツを汗抜きの水洗いクリーニングをご希望されました。

「ハーディエイミスのオーダースーツを水洗いクリーニングするコースですと、
当店のメンテナンス・コースになりますが、よろしいですか?」と尋ねますと、

「汗を取りたいので、お願いします。」とのお返事ですので、
メンテナンス・コースでオーダースーツを汗抜きクリーニングしていきます。

が、まずはいつものように、カルテの作成からおこないます。

HARDY AMIES(ハーディエイミス)のオーダースーツの状態をチェックします。
シミや汚れ、ホツレなどが無いか、洋服の状態をいろいろチェックしていきます。

そして、各部の寸法を採寸しておきます。
上着を例にとりますと、
前丈、袖丈、下袖丈、肩幅、着丈、中胴半寸と寸法を測っておきます。

水洗いするんですから、と~っても大切なことです。
これをしておかないと、アウト!になってしまいます。(弁償ものです!)

どうですか?クリーニング屋さん?採寸してから水洗いしていますか?
結構、やっていないんじゃないんですか?
危ないですよ!
しっかり採寸してカルテを作成しておかないとね!

と、カルテができましたら、次は型崩れ防止のための仕付け糸を打っていきます。

シルエットが崩れたり、寸法修正の時、アイロンプレスの時になど作業効率を上げるためにも、
オーダースーツの各部に仕付け糸を打っておきます。

ボタンホールに腰ポケット、胸ポケットに胸ダーツ、脇ダーツ、肩パットに垂れ綿、袖の縫い代と仕付け糸を打ちます。

慌てず、あせらず、落ち着いてオーダースーツを傷つけないように仕付け糸を打っていきます。
コツコツ、コツコツ、縫っていきますと、
あ~!疲れる~!
こんな感じになりますが

まずは、前処理をしまして、しみや汚れを部分的に処理しておきます。
どんな洋服でもそうなんですが、
いきなり「それ~」って機械に放りこんで、「スイッチオン!」でガラガラ回しても、
洋服はきれいになりませんし、逆に洋服が傷んでしまいます!
洋服が泣いています・・・涙・涙””

それではいけませんから!
しっかり、丁寧に前処理をしておきます。
衿や袖口、その他いろいろな部分を、よ~く見て、部分処理をしておきます。

そして、厚手の弾力ネットに入れまして、
まずは、ドライクリーニングで油性汚れを除去していきます。
ほとんどの汚れやシミなどは、油性汚れと水溶性汚れが交じり合って付いていますので、
その内の油性汚れを除去します。
ドライクリーニングと言えども、やさしく、やさしくドライクリーニングで洗っていきます。

乾燥は、ハンガー乾燥で熱乾燥させていきます。
な~んにも気にしないクリーニング屋さんは、高温でガランガラン回転させて乾燥させていますが、
それでは衣服が傷んでしまいますから、
HARDY AMIES(ハーディエイミス)のオーダースーツが傷まないように、やさしくハンガーに掛けて乾燥させていきます。

乾燥しましたら、次は水洗いクリーニングで汗抜きをしていきます。
毛100%のHARDY AMIES(ハーディエイミス)のオーダースーツを水洗いクリーニングするのですから、
細心の注意を払って、やさしく、丁寧に水洗いクリーニングをしていきます。
決して機械任せにする事無く、自分の手でやさしく手洗いで水洗いクリーニングをしていきます。

ここでも厚手の弾力ネットに入れまして、水洗いをしていきます。
洗浄、すすぎ、トリートメント加工の糊付けをしまして、やさしく脱水をします。

脱水をしましたら、人型のビックハンガーに掛けまして、寸法とシルエットを修正していきます。
よく、水に濡れた状態で機械で「ブワ~」と風船のように膨らまして乾燥させているクリーニング屋さんを見ますが、
あれは、よっぽど洋服の構造に精通した人物が機械の操作をしないと、
衣服が膨らみすぎて、逆にシルエットを壊してしまうので、私は、余りお勧めしません!
まあ、使っているクリーニング屋さんは、十分注意して機械を操作するようにしましょうね!

というわけで、私は人の手で寸法とシルエットの修正をおこなって、自然乾燥させるようにしています。
こんな感じで一晩自然乾燥をさせておきます。

水洗いクリーニングをして乾燥しましたHARDY AMIES(ハーディエイミス)のオーダースーツは、こんな感じになっています。

極端な型崩れは無いものの、
それでも「水洗いしました!」って感じになっていますので、
このHARDY AMIES(ハーディエイミス)のオーダースーツをきれいにアイロンプレスしていきます。

まあ、いつもいつも書きますので、面倒くさくなってきますが、
大分はしょって、アイロンプレスについて書込みをしますね。

水洗いしましたHARDY AMIES(ハーディエイミス)のオーダースーツは、
芯地がグズグズの状態になっていますので、
まずは芯地の状態をアイロンプレスで直していきます。

裏地の方から、コテ布を当てて霧吹きで霧を打ち、電蒸アイロンの熱を使ってプレスしていきます。
縮んだ芯地を伸ばすようにアイロンプレスをしていきます。

見返しから身頃、脇、背中上衿とアイロンプレスをしまして、
次にアームホールと肩パットの取り掛かります。

アームホールも伸ばし過ぎないように注意しながら、水洗いで縮んだ垂れ綿や縫い代を伸ばすようにアイロンでプレスしていきます。
肩パットは、前肩を壊さないようにアイロンプレスをしていきます。

表に返しまして、表地を仕上げていきます。
まずは、上袖、肩パットからアイロンプレスをしていきます。
そして袖全体をアイロンプレスしていきまして、
身頃と表地全体に移っていきます。

しかし、今回のお客様は、とても体格の良い方でして、肩幅が50センチありますから
なかなかアイロンプレスが大変です。

肩幅が広いとアイロンプレスも大変なのですが、
ちょっと困ったことがあります。

実は、ハンガーが無いんですよね!
ハンガー幅が50センチあって、「これだ!」って思ってよく見てみると、
ハンガーの厚みが薄かったりして、
イマイチ良いハンガーが無いんですよね!

ハンガー代が余りに高額になってしまっても、困ってしまいますし、
どうしようかな~?と考え中です。

いろいろ見て廻って、探してこようかと思っています。

おおっと!大分話がずれてしまいましたが、
アイロンプレスが終わりましたHARDY AMIES(ハーディエイミス)のオーダースーツは、
こんな感じです。

人台にもタオルを入れて調整していますが、
なかなか良い体格です。

「俺って、汗っかきだから、大切なスーツを水洗いしたいんだけどな~?」
とお悩みのあ・な・た!
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
是非、一度お試しあれ!
それでは、また・・・・・