袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
夏の礼服をメンテナンス・クリーニングして欲しいと、
持ち込まれましたので、ドライ&水洗いクリーニングしてお手入れしていきましょう。

夏用の生地によく使われているモヘアを使用したシングル一つボタンの礼服です。

モヘアは、生地が硬く、汗などの湿気に強く、型崩れしにくい性質を持っています。
自分も夏用の礼服で1着欲しいな~と、思っている礼服です。

そんな夏用の礼服が持ち込まれましたので、早速処理していきましょう!

まずは、シミや汚れ、傷などをチェックしておきます。
ポケットの中や、ズボンの裏地の縫い代部分などのホコリも、しっかり取り除いておきます。

次に礼服の各部の寸法を測って、カルテに書き込んでおきます。
上着は、前丈、肩幅、袖丈、下袖丈、着丈、中胴半寸の寸法、
ズボンは、ウエスト、総丈、股下、ワタリ幅、ヒザ幅、すそ幅の寸法を測ってカルテに書き留めておきます。

カルテができましたら、次に、型崩れを防止する仕付け糸を打っていきます。
ポケット口、各ダーツ部分、肩パット、垂れ綿、と仕付け糸を打っていきます。

準備ができましたら、首周りや袖口などに前処理をしまして、
厚手の弾力ネットに入れて、ドライクリーニングをしていきます。
礼服に余分な力が掛からないように、やさしく、やさしくドライクリーニングをしまして、
ハンガー乾燥で熱乾燥させます。
ドライクリーニングが乾燥しましたら、次に水洗いクリーニングに移っていきます。

水洗いは、機械任せにせずに、人の手による手洗いで水洗いクリーニングをしていきます。
原始的に見えるかもしれませんが、大切な洋服の為には、人の手による手洗いが一番!ですので、
人の手による手洗いで水洗いクリーニングをします。

洗浄、すすぎ、糊付けと処理しまして、やさしく、やさしく脱水します。
脱水しましたら、人型のビックハンガーに掛けまして、寸法を修正しながら形を整えていきます。
上手に寸法修正しながら形を整形していきますと、こんな感じになります。

どうですか?結構きれいになるもんでしょう!
後は、このまま一晩自然乾燥させてあげます。

一晩自然乾燥後、アイロンプレスをしていくのですが、
が!、まずは寸法をチェックして、縮んでいないかどうかを調べます。

ん!大丈夫ですね!縮みが無く乾燥されています。

それでは、アイロンでテーラードプレスしていきます。

一応、上着を例に書込みしていきますね。

アイロンの温度を160度ほどに設定しまして、まず初めにアームホールの部分からアイロンプレスしていきます。
垂れ綿をきれいにしながら、アームホールを必要以上に伸ばさないようにアイロンプレスしていきます。
次に肩パットに移りまして、前肩を壊さないように注意して、アイロンプレスします。

次に前身頃の芯地に移りますが、ここでアイロンの温度を180度から200度ほどに上げていきます。
前身頃を裏地が表になるようにセットしまして、すそから胸に向かって胸のボリュームが出るようにアイロンプレスしていきます。
この時、衿ラペル部分も仕上ておきます。地の目を気にしながら、真っすぐ引張ってラペルをプレスしておきます。

次に、そのまま脇に移りまして、脇から背中に掛けてアイロンプレスしていきます。
背中は、肩甲骨のボリュームが出るようにアイロンプレスします。
ここで上衿を裏から仕上げていきます。
衿周り量を確保して、鎌衿になるようにアイロンプレスをしていきます。

裏からの仕上げが終わりましたら、表地の仕上に移っていきます。

表地は、先ほどと同じ様に肩パットからアイロンプレスをしていきます。
前肩を壊さないように、後ろ側、前側パットとプレスしまして、
上袖部分のプレスに移ります。
袖が薄くなるように、シワをとってきれいにアイロンプレスしていきます。
袖の上部分がプレスできましたら、袖の下部分のプレスに移ります。
カフボタン部分に注意しながら、袖口がスパッと斬ったようにきれいな袖口になるようにアイロンプレスを施します。

肩パットと袖部分が終わりましたら、身頃部分のアイロンプレスに移ります。

地の目が真っすぐになるようにセットしまして、
すそから前身頃、腰ポケット、脇、細腹、胸とグルッと廻るようにアイロンプレスを施します。
次に背中に移りまして、
背中もすそから、ウエスト部分、脇、肩甲骨部分、背中中心部分と肩甲骨のボリュームが出るようにアイロンプレスをします。

最後に衿ラペルのアイロンプレスに移ります。
ラペルをアイロンプレスしまして、ラペル、上衿部分を押さえ込みましてアイロンプレスが終了します。

この後は、人台に上着を掛けて、アタリを消して、シルエットを落ち着かせて完成になります。
こんな感じになります。

ん~、いい感じですね~!
ラペルの感じも、こんな感じで

きれいにメンテナンス・クリーニングができました!

「クリーニング屋なんて、どこも同じでしょ!」とお思いの あなた!
安いだけのクリーニング店に出して、大切な洋服を壊されてしまうよりも、
せっかくクリーニングに出すんなら、メンズテーラード技術と和服シミ抜き技術を踏まえた、
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ちょっとオシャレして小粋に暮らしましょう!
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
それでは、また・・・・・