袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
「これって直ります?」とMONCLER(モンクレール)のダウンジャケットが持ち込まれました。

見てみますと、ダウンジャケットの衿の部分が脱色して色が変色しています。
こんな感じです。

全体の色は茶色なんですが、衿の部分が緑色になってしまっています。

MONCLER(モンクレール)のダウンジャケットですと、お値段も結構しますし、
「ん~~できるだけ、やってみますね!」とお客様に言ってお預かりしました。

今回のダウンジャケットはポリアミド100%との組成表示になっています。
よくナイロン100%などのダウンジャケットですと、
酸化窒素ガスの影響によってガス退色をおこして色が変色してしまいますが、
今回の場合は、どうも皮脂の影響によって起きた変色のように思えます。

ちょうど衿が体に当たる部分が変退色していますし、
他の部分がまったく変退色していませんので、
皮脂による変退色が何らかの影響によって起きたと考えられます。

「こんなのどうやって直すの?」って、みなさんの声が聞こえてきそうですが、

そう!今回の場合は、シミ抜きで処理する!といった処理にはなりません!
今回の場合は、色を補色して修正していく処理になります。

「色を補色?って何?」って聞いてきそうですが、

「色を補色する」と言うことは、元の色から脱色してしまった色を補って修正する、
シミ抜き技術の中でも最高峰の技術です。

色は、赤・青・黄色の三原色以外は、原色が何色か混合されて色が構成されています。
今回の場合は、こげ茶色になりまして、こげ茶色の中の何らかの色が脱色して緑色になっています。
緑色は、青と黄色の混合色になり、そこに赤を足してあげると茶系の色になっていきますので、
今回の場合は、赤色を補色して修正していきます。

「なあ~んだ、赤色で塗ってやれば直るんだ!」 と、思った方がいるかもしれませんが、
そうは、問屋が卸しません!

赤は赤でも、ただの赤ではうまく修正できませんので、
そこは、それ相応の経験と技術が必要になってきます。

色の修正も「ドバッ」っと色を浸けるのではなく、薄く薄く色を掛けていきます。
色の修正は、穴の開いた土地に、土を入れて平らにするようなイメージで修正していきます。

コツコツ、コツコツ修正していきますと、こんな感じになりました。

「ん~!GOOD!」ですね。
これで新しいダウンジャケットを買わずに済みますね。
節約!節約になりました。

今回は、うまくいきましたが、中にはうまくいかない場合もありますので、ご了承ください。
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
それでは、また・・・・