袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
今日は、ダ・ダ・ダ・ダ・ダンヒル(DUNHILL)のスーパー120’Sファインウールを使用したスーツを
メンテナンスコースで水洗いクリーニングしていきます。

表示は、毛100%となっていますが、ズボンのスソの折り返しにDUNHILLスーパー120’とカシミヤブレンドと書かれていて、
ただの毛100%ではありません!

ブランド物やオーダー物によくあるのですが、ポケットの中の組成表の表示は、毛100%としか書かれていないのですが、
よ~く調べてみると、毛は毛でも、ファインウールのスーパー表示のウールだったり、シルクブレンドやカシミヤブレンドだったりして、

毛100%は毛100%でも普通に思っている毛100%じゃないじゃん!って事がよくあります。

今回もそんな毛100%表示なのに、実際はスーパー120’Sカシミヤブレンド生地のブランドスーツです。

そんなDUNHILL(ダンヒル)のスーツをメンテナンスコースで水洗いクリーニングしていくのですが、
まずは、いつものようにカルテの作成から行なっていきます。

上着は前丈、着丈、肩幅、袖丈、下袖丈、中胴半寸と採寸しまして、
ズボンは、総丈、股下、ワタリ幅、ひざ幅、すそ幅、ダブルの折り返し幅と採寸して記入しておきます。

この各部の寸法を控えておくことで、後は煮ようが、焼こうが、炒めようが、好きにできますから(冗談ですけど・・・)
しっかりと採寸しておきます。

そして、ポケットや縫い代の裏側など、ホコリの溜まり易い場所を掃除しておきます。

「え~今時、そんな面倒くさい事やるの!」とクリーニング屋さんから声が聞こえてきそうですが、
結~構、ホコリが溜まっていて、想像以上にホコリっぽいですから、しっかりと掃除していきます。

まあ、面倒くさかったら、エアーでビュビュと吹き飛ばせばいいんですけどね!
(ホツレないようにエアー圧に注意して掃除してください!)

次に、型崩れ防止の為の仕付け糸を打っていきます。

これは、水で洗ってもシルエットが崩れないようにする為のものでして、
面倒くさいんですけど、やっぱり重要な作業になります。

腰ポケット、ボタンホール、胸ダーツ、脇ダーツ、垂れ綿、肩パット、袖の縫い代と
仕付け糸で縫っていきます。

慌てて縫って、生地を傷めない様に注意深く縫っていきます。

次に染み抜きと汚れの部分を前処理しておきます。
ただ、ドライクリーニングしました! 水洗いクリーニングしました! では、きれいになりませんから、
シミや汚れの部分を前もって処理しておきます。

まれに、面倒くさいからいいじゃん!って手抜きのクリーニング屋さんを見ることがありますけど、
ただ機械に入れて、スイッチオン!では、きれいになりませんよね~。

まあ、どんな商売でもそうでしょうけど、下ごしらえの一手間、二手間が掛けられるかで、
そのお店のレベルと言うか、格が決まってきます。

面倒くさがらずに、こまめに作業してあげれば、お客様の大切な服が喜びますから。

さて、前処理が終わりましたら、まずはドライクリーニングからおこなっていきます。
いつものように厚手の弾力ネットに入れまして、
やさしく、やさしくドライクリーニングをしていきます。

乾燥は、ハンガー乾燥で一晩自然乾燥させた後、熱乾燥でしっかりと乾燥させます。

乾燥しましたら、次は水洗いクリーニングです。

こちらもいつもように手で水洗いクリーニングをしていきます。
厚手の弾力ネットに入れまして、
手でやさしく、やさしく水洗いをしていきます。
洗浄、すすぎ、トリートメント、糊付けと処理しまして、
やさしく、やさしく脱水します。

水洗いから取り出しましたら、ビッグハンガーに掛けまして、
寸法とシルエットを修正していきます。

水に濡れている状態で寸法修正してあげれば、思ったよりも楽に修正できますから、
濡れている内に寸法とシルエットを直してあげます。

あとは、このまま一晩自然乾燥させておきます。

どうですか?
思ったよりもきれい?でしょ。

これで、はい終わり!でお金が貰えれば儲かるんですけど、
そうはイカのキン○マ!

世の中!そんなに甘くありませんから!

しっかりとプレスして、きれいに復元させてあげましょう!

一晩自然乾燥させたDUNHILL(ダンヒル)のスーパー120’S使用のスーツです。

こんな感じで、いつ見ても思いますが、
「あ~これで納品できたらな~楽なのにな~」と悪魔のささやきが聞こえてきます。

まあ、この状態で納品できるとしたら、毎日、毎日、同じスーツを着用して、
汗と汚れでよれよれになった、作業服だかスーツだか分からないスーツだったら、可能かな~と思いますけど。

大切にしている一張羅のスーツをこの状態で納品できるか?と聞かれれば、
まず無理NGですからね。

もし大切にしているスーツをこの状態で「できました!バッチリです!」 な~んて納品しようものなら、即!弁償でしょうね。

「何やってんだ!弁償しろ!」と、考えただけでも怒鳴り声が聞こえてきそうです。

そんな事にならないように、テーラードプレスでしっかりとアイロン仕上げをしてきましょう!

しか~し、毎度、毎度、アイロンプレスの手順を書くのも面倒になってきましたので、
今回は、ちょっと省略させていただきます。

気になる方は、こちらのスーツのページをご覧になってくださいね!
こちらからhttp://cleaning-shimizu.jp/

とは言え、何も書かないのも何ですから、簡単に書かせていただきますが、

大手のクリーニング屋さんなどの一般的な水洗いクリーニングの仕上方法と言いますと、

まず、上着を人型の人形に着せまして、あとは蒸気と熱風でブワーと風船のように膨らましながら乾燥させまして、
軽く手直しして、はい完成!って感じなんですけど、

正直、知らないというのは、恐ろしいな! と感じてしまいます。

風船のようにブワーと膨らまして乾燥させるのは、かなり紙一重のやり方でして、とっても乱暴な仕上方法だと思います。
よほど洋服に精通した人が、その作業に携われば問題ないのでしょうが、
現実的には、パートのおばさんがその作業をしているわけで・・・・・

お~!怖っ!

まあ、一般の人が気づいていないだけなのでしょうね、きっと。

自分的には、ま~だ先ほどの写真の状態に軽く手直しを加えたやり方の方が、
よっぽど、きれいでシルエットを壊す事無く仕上ることができると思うのですが、
時間に追われてしまうと、無理なのでしょうかね~

ま、よその事は置いといて、当店のアイロン仕上げは、そんな機械任せの仕事ではありません!

プロの中のプロ!テーラードプレスの第三人者(くらいかな? 第一人者は、もちろん!松田塾長 松田茂伸氏 です)の私がアイロンプレスでお手入れしますので、
コンクリートの船に乗ったくらいの気持ちで(コンクリートじゃ、ある意味沈んでしまいそうですけど・・・笑)
ご安心してお任せ下さい。

さて、先ほどのDUNHILL(ダンヒル)のスーツはと言うと、
アイロンプレスが終わりまして、こんな感じになりました。

「ん~!良いですね~!」
とても機械ではマネのできない仕上がりです。

これなら、安心して納品できますね!

しかし、その分手間は掛かりますけどね。

慣れたとは言え、スーツ上下で二時間強のアイロンプレス!
かなり集中してプレスしていきますので、
と~っても疲れます!

一日一着が限度の仕事です。

ん~!何とも・・・・

問合わせは、メールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで

それでは、また・・・・