袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。

今回は、MackinTosh(マッキン・トッシュ)のグレーフランネルのカシミヤ混コートです。
こちらのコートをメンテナンスコースにてドライ&水洗いクリーニングをしてお手入れしていきますね!

まずは、いつものように寸法を測ってカルテを作成します。
この作業は、この仕事の要でありますから、必ずしっかり採寸しておきます。
次にコートの状態をチェックします。
シミや傷、すれや色などなど、細かくチェックしておきます。
そして、それらの情報をカルテに書き込んでおきます。

今回は、ボタンホール部分に比翼が付いていますので、仕付け糸は無しで作業していきます。

まずは、部分シミ抜き洗浄から行います。
シミの部分や、衿、袖口、すそ周り、ポケット口など汚れているであろう部分を、予め前処理して洗浄しておきます。

そうしましたらドライクリーニングを行います。
いつもの様に、厚手の弾力ネットに入れて、やさしく、やさしくドライクリーニング洗浄をしていきます。
乾燥は、衣類に傷みの無いようにハンガー乾燥で熱乾燥します。
乾燥後、しばらく置いて熱を冷まします。
熱が冷めて、落ち着きましたら水洗いクリーニングをしていきます。
またまた厚手の弾力ネットに入れて、やさしく、やさしく手洗いをしていきます。
手でやさしく洗浄、すすぎ、トリートメント加工をしまして脱水します。
脱水は、ボタボタ過ぎず、絞り過ぎず、適度な状態になるように脱水します。

この脱水が、結構!みそ!

脱水が終わりましたら、手で形をシワを伸ばすように、そして寸法を修正するように、
毛並みを整えながら形を整えていきます。
形が整いましたら、そのまま一晩自然乾燥させます。

カシミヤ混紡のフランネルコートですが、とっても肌触り良く!滑らかな風合いになりました!

この肌触りをお伝えできないのが、とっても残念です!

安い大手のクリーニングやさんでしたら「このままでも良いんじゃない!」って言いそうな感じですよね、
でも実際は、このままでは全くダメ×で、しっかりアイロンプレスをしてあげないとコートが生き返ってきません。
アイロンプレスは、後日行っていきますね。

そういえば、今回のコートも裏地がレーヨン100%だったのですが、
思ったほど縮みが無くて、助かりました!
作業がし易かったですね!

ひどいレーヨン100%裏地になりますと、10センチくらい縮んでしまいます。
そうなると、と~っても修正が大変になりますから、疲れてしまいます。
まあ、そうならなかったのですから、良かった!良かった!です。

乾燥しましたら、アイロンプレスをしていきます。
が!まずは寸法を測って、縮みの状態をチェックします。
「うん!」大丈夫ですね!しっかり寸法修正しましたので縮み無し!です。

それでは、アイロンプレスをしていきましょう。
電蒸アイロンを使用して、テーラードプレスにてアイロンプレスをしていきます。

基本的なアイロンプレスのやり方は、まずコートの毛並みを整えて、その上にコテ布を当て、霧吹きで霧を打ち、アイロンの熱でプレスするようにアイロンを掛けます。

アイロンの温度は、私は180度くらいでアイロンのプレスをしますが、みなさんがアイロンを掛ける場合は、160度くらいの中温でアイロンを掛けるようにしましょう。

まずはアームホールの部分を裏から掛けます。
アームホールを伸ばさないように、でも縮みを伸ばすようにアイロンプレスをします。

つぎに肩パット部分を裏からプレスします。
前肩になるように、アイロンプレスを施します。
表に返して表からも肩パットをアイロンプレスします。

次に袖馬を使って、袖をプレスしていきます。
袖のシルエットを考えて、形を壊さないようにアイロンでプレスしていきます。

衿に移ります。
上衿に移りまして、鎌衿になるように、いせ込み、追い込んでアイロンプレスをしていきます。

前身頃を仕上げていきます。
前身頃を裏にして、すそからアイロンプレスしていきます。
地の目に真っすぐ、胸のボリュームを出すように芯地をアイロンプレスしていきます。
そのまま、脇側にずらして、すそから脇、背中の肩甲骨に向かってアイロンプレスをします。
背中は、肩甲骨のボリュームを出すようにアイロンを掛けます。

表に返してアイロンプレスをします。
地の目が真っすぐになるようにセットして、すそからアイロンプレスをしていきます。
すそから下半分の前側、上半分の胸側、脇にずらしてすそから下半分の脇部分、上半分の脇部分と言った具合にアイロンプレスをしていきます。
背中も同じ要領でアイロンプレスをしていきます。

コツコツ、コツコツ、2時間弱くらい掛かりますか!
コツコツ、コツコツアイロンプレスをしますと、こんな感じになります。

しなやかで、滑らかな感じが出て、いい感じのコートになりました。
もちろん!縮みはありません!

「何で?こんなにアタリやテカリが無く、アイロンプレスができるの?」と聞きたくなる方もいると思いますが、

そこは、企業秘密です!ひ・み・つ! です。

やっぱりコツと言うか、熟練した技が有るのです!
今回も水洗いクリーニングでトリートメントしたおかげで、肌触りが良く!とっても滑らかになりました。
もお!ほっぺで撫でたくなってしまいます。

ゴワゴワ!ガピガピ!のコートをお持ちのあなた!
いかがですか?一度お試しされては?
きっと感激すると思いますよ!
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、