袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
さて、お預かりいたしましたスーツは、ラファエル・カルーゾ(Raffaele Caruso)と言うイタリアブランドで、
生地には、イタリア製生地ロロ・ピアーナのスーパー120’Sが使用されている、品のあるブランドスーツです。
1回か2回くらいしか使用していないとの事ですが、
タンスの入れっぱなしでも、段々シルエットが崩れてきますので、
定期的なメンテナンスが必要になってきます。
まあ、時計にしろ、靴にしろ、鞄にしろ、何にせよ、定期的にお手入れしてあげないと、くたびれてしまいます。
最近では、地球温暖化の影響か?住環境の影響か?、カビが生え易くなっています。
自分でやるにせよ、プロに任せるにせよ、定期的なメンテナンスをお勧めいたします。
さ~て、ぼ~としていても仕事が片付きませんから、早速お仕事!お仕事!です。
まずは、スーツをしっかりチェックします。
汚れやシミ、傷やほつれ、ボタンなどなど、しっかりチェックします。
そうしましたら、次は、各部の寸法を測っておきます。
採寸は、洋服のカルテになりますから、しっかり測っておきます。
上着は、前丈、着丈、肩幅、袖丈、下袖丈、中胴半寸
ズボンは、ウエスト、総丈、股下、ワタリ幅、すそ幅、ひざ幅、ダブル幅、
これらを左右両方測ってメモしておきます。
次に、ポケットの中やズボンの裏地裏、脇縫い代の裏側などのホコリを取り除いておきます。
「え~、そんな面倒くさいことするの~」 と声が聞こえてきそうですが、
これも大事な仕事の一つですので、しっかりやっておきます。
これらの前段階が終わりましたら、まずシミ抜きをしておきます。
前身頃に少しシミが有りますので、シミ抜きをしておきます。
シミ抜きが終わりましたら、今度は洗うための準備をします。
ドライクリーニング、水洗いクリーニングとブランドスーツを洗浄しますので、
シルエットが壊れないように、仕付け糸を打っておきます。
型崩れ防止の仕付け糸を打ちましたラファエル・カルーゾのブランドスーツを水洗いクリーニングしていきます。
最近では、いろいろな所でメンズスーツの水洗いを宣伝していますので、
ど~~も一般の方は、簡単にスーツの水洗いができると思っているようですが、
と~んでもない!間違いです!
特に、ブランドスーツやオーダースーツになればなるほど、大変難しい処理になります。
洗いは、やさしく、やさしく水洗いしなくてはいけません。
水で洗うと、どんなにやさしく水洗いをしても、まずほとんどのスーツが1センチほど縮みますので、
縮みを修正しながら乾燥させなくてはいけませんし、
アイロン仕上げプレスは、熱によるアイロンプレスでじっくり!じっくり!プレスしていかなくては、きれいに仕上がりません。
アイロンプレスに掛かる時間は、だいたい3時間くらい掛けてアイロンプレスをしないと、きれいに仕上がりませんから、
と~~っても、大変な作業なんですね!
そりゃ、ポリエステルが60%くらい入った安いスーツなら何の問題も無く、簡単に作業できますが、
ブランドスーツやオーダースーツなどは、そうも行きませんから大変なんですね。
「ブランドスーツも簡単に水洗いできますよ!」 と言うクリーニング店ほど危険ですから、
みなさんも、その辺を踏まえて水洗いクリーニングの店選びをしてくださいね。
さて、それではスーツをメンテナンス・クリーニングしていきます。
まずは、ドライクリーニングをして油性汚れを除去していきます。
弾力ネットに入れて、やさしく、やさしく洗浄していきます。
乾燥は、ハンガー乾燥で熱乾燥させます。
乾燥しましたら、今度は水洗いクリーニングをしていきます。
基本的に手で水洗いをします。
やさしく!やさしく!水洗いをしていきます。
洗浄、すすぎ、トリートメント糊付けと処理しまして、やさしく!やさしく脱水します。
脱水しましたら、手でシルエットを整えながら、寸法を修正してしきます。
この状態で、一晩自然乾燥させておきます。
次に乾燥しましたラファエル・カルーゾ(Raffaele Caruzo)のブランドスーツにアイロンプレスをして仕上げていきます。
しかし、このアイロンプレス!早くちゃっちゃっと仕事ができませんので
(1箇所、1箇所コツコツ、熱によるアイロンプレスを施さないと、スーツが生き返りませんから)
どんなに早くアイロンプレスをしても3時間ほど掛かってしまいますので、と~~っても大変なんですね!
ですから、何回アイロンプレスをしても、正直、躊躇してしまいます。
でも、アイロンプレスをしないと仕事になりませんから、今日もコツコツアイロンプレスをしていきたいと思います。
まずは、乾燥しましたスーツの寸法をチェックします。
「うん!大丈夫ですね。」水洗い後にしっかり寸法修正してありますので、縮みが無くいい感じで乾燥しています。
それでは、アイロンプレスをしていきます。
今日は、上着のブレザーを主に紹介しながら書き込んでいきますね。
まず用意するのは、重たい電蒸アイロン、霧吹き、コテ布、鉄マン(馬)等を用意します。
アイロンの掛け方の基本は、アイロンを当てる部分を平らにして、コテ布を掛け、霧を打って、アイロンを乗せて、1・2・3・4とじっくり熱を生地や芯地に伝えるようにアイロンを掛けます。
では、アイロンを掛けていきましょう。
まずは、アームホールと垂れ綿の部分からアイロンを掛けます。
裏から垂れ綿がシワにならないように、かつ、アームホールを伸ばし過ぎないようにアイロンを掛けます。
ついで、肩パットに移ります。
前肩を壊さないように注意して、しっかり肩パットを潰します。
表地の肩パットに移って、表からもアイロンを当てます。
袖上部分に移りまして、袖が薄くなるようにアイロンを掛けていきます。
前身頃に移りまして、裏から芯地を仕上ていきます。
裾(すそ)から胸に掛けてアイロンを掛けて、胸のボリュームを出すようにアイロンを掛けます。
この時、ラペルから首周りに掛けても、アイロンプレスをして、ラペルの縮みと首周り量を確保しておきます。
そのまま裏からの状態で、脇から背中部分に移っていきます。
肩甲骨のボリュームを出すように背中をアイロンプレスして背中部分を整えます。
表地に返りまして、前身頃からアイロンプレスしていきます。
裾から胸、腰ポケットから腰、脇、胸と円を描くようにアイロンプレスをして前身頃を整えます。
背中も、裾から脇、裾、背中心、肩甲骨と円を描くような感じでアイロンプレスをして整えていきます。
ついで、袖部分に移りまして、袖下部分をアイロンプレスしまして。
最後にラペルから上衿部分をアイロンプレスしまして、ほぼ完成になります。
人台に上着を掛けて、各部分をチェックして細かく修正しまして、15分ほど冷やして落ち着かせます。
ざらっと手順を書きましたが、実際に上着とズボンをアイロンプレスしますと、紺や黒の生地で3時間強、アイロンプレス時間が掛かってしまいます。
ブランドスーツやオーダースーツは、手抜きの出来ない仕事になりますので、どうしてもコストが掛かってしまいます。
しかし、その分出来上がったスーツの状態も、すごく良い状態に仕上がってくれます。
どうですか?みなさん、一度お試ししてみては、きっと満足いく仕上がりが期待できますよ!
是非、一度お試しあれ!
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、