袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
「バックに黄ばみのシミができてしまったのですが、取れますかね?」
とバックが持ち込まれました。
こんなバックです。
全体に所々にシミが有り、バックの底に大きな黄ばみのシミがあります。
こんな感じになっています。
黄ばみと一緒に何か擦れたシミも付いています。
今回のバックは、クリーニングというよりも、しみ抜きが主な処理になります。
では、処理していきましょう。
まずは、油性のシミ抜きからしていきます。
底についた、黒い油性のシミを油性処理剤を使いシミ抜きします。
シミを抜いたら、ムラが無いように全体を油性シミ抜きですすぎ、
乾燥ムラがないように乾燥させます。
次に、水溶性のシミ抜きをしていきます。
水と中性洗剤を使い、水に溶けるシミを落としていきます。
たっぷりの水ですすいで、ムラの無いように乾燥します。
さて、それでも取れない黄ばみをシミ抜きしていきます。
今回は、酸化漂白剤を使って漂白します。
やさしく、スレが発生しないようにやさしく漂白します。
1回では取れませんので、何回か地道に、地道に漂白します。
シミ抜きを知らないみなさんは、「強い漂白剤で1回でやれば良いじゃないか!」
と思うのでしょうが、
残念!
強力な薬品ほど、失敗するリスクが大きくなりますので、
私たちプロは、弱めの漂白剤でやさしく、何回かに分けて漂白していきます。
黄ばみが取れましたら、中和してたっぷりの水ですすぎます。
ムラがないように乾燥します。
バックの底のシミもきれいに取れました!
こんな感じです。
自然乾燥しまして、撥水加工をバックに施します。
布製のバックですから、撥水加工をしておくと汚れが付きにくくなり、
きれいな状態が長持ちします。
みなさんもバックに撥水加工!お勧めします!
再度、撥水加工したバックを乾燥して、
金具を磨いて完成です。
こんな感じできれいになりました。
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
袋井のメンテナンス・クリーニングしみずです。
今日は、カシミヤのジャケットのアイロン仕上げの一部を教えちゃいましょう!
前身頃から背中、ラペル、上衿のアイロン仕上げをしていきます。
まずは、前身頃からアイロンを掛けていきます。
が!その前に、アイロンの基本的は掛け方をお教えします。
アイロンの温度は、素材によって変化しますので、
素材に合わせた温度にしてください。
まず、洋服をセットして、コテ布を掛けます。
そして、霧を打ち、アイロンを掛けます。
アイロンは歩くように掛けます。
ゴシゴシ、擦るように掛けてはいけません!
自分は、アイロンの重さを利用して、アイロンを掛けますので、
重たいアイロンを使ってアイロン仕上げをします。
力は、そんなに使っていません。
やさしくアイロンを掛けます。
アイロンの蒸気は、ほとんど使いません!
コテ布に打った霧の水分蒸気で十分です。
では、アイロンを掛けましょう!
今日は、身頃から背中、衿、ラペル部分のアイロン仕上げを紹介します。
まずは、前身頃からアイロンを掛けます。
下の写真のように、地の目が真っすぐになるようにジャケットをセットします。
そして、スソから上に向かって掛けていきます。
スソ、ポケット、胸ダーツと掛けます。
次に、そのまま前にずらして、セットします。
横から見ると、わかりやすのでこんな感じです。
また、スソからポケット、サイドベンツにアイロンを掛けます。
ウエストの絞りを壊さないように、アイロンを掛けます。
次に、ウエストから上部分を仕上ます。
そのままの状態から、下にずらしてセットします。
こんな感じです。
脇から胸にかけてボリュームが出るようにアイロン掛けします。
そして、前側にずらしてセットします。
ラペルは、基本的に裏から仕上げます。
表側は、軽く蒸気をサッと当てるくらいにします。
そうしたら、ラペルを返して、
上衿から3分の1くらいを押さえるようにアイロン仕上げをします。
これらの仕上げを左右両方、仕上げします。
あらら!、ちょっと失敗でした!
背中の部分を写真に撮るのを忘れました!
ヤイヤイです!
背中は、また後日お知らせしますね!
次に、上衿を押さえ込むためにセットします。
このデコボコが無くなる様に押さえ込みます。
こんな感じです。
ジャケット全体の中の一部の仕上げを紹介しましたが、完成すると、こんな感じです。
いかがですか?みなさんも、こんな感じでアイロンを掛けられたら、即採用です!
クリーニング屋さんデビュー出来るかもしれませんね!
ではまた!
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
袋井のメンテナンス・クリーニングしみずです。
ズボンの折り目加工の依頼がきました。
でもみなさん!ズボンって「折り目」「線」
どれが正しいのか?わかります?
正式には、製図上は「前身折り目線」「後ろ身折り目線」といいます。
つまり「折り目線」が正しいのですね!
メンズテーラーでは、「折り目線」と言うくらいですから、
折り目線がシャープで、細く、鋭いほど良いとされています。
別に「折り目加工」をしなくても、
シャープで鋭く線をつけなくてはダメなのです!
しかし安いクリーニング店では、機械で「バチ」と押さえるだけですから、
シルエットも折り目線も全くなっていません!
中途半端で終わってしまっています。
まあ、安い金額では、手を掛けることができませんので、
仕方が無いかもしれません。
でも、機械でやるのも、手でやるのも
ズボンを理解していれば同じことなのですがね!
ちなみに、ズボンの下部分を仕上げると、こんな感じになります。
ズボンのシルエットがきれいに出ているのが、わかりますか?
レディスパンツなども、線がつくか、付かないかで基本は同じになります。
さて、折り目加工ですが、
当店では、パーマネント加工になります。
髪の毛のパーマと同じ原理の加工方法になります。
他にも加工方法はありますが、パテント料がかかりますので、
当店では、この方法になります。
折り目加工を利用されるに当たって注意事項がありますので、
ご参考にしてください。
1:若干、色が濃くなります。
2:若干、硬くなります。
この2点を頭に入れて、ご利用されると良いでしょう。
線は細く、シャープに鋭くします。
こんな感じです。
どうかな?わかるかな?
きれいに線とシルエットが出ましたね!
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
「バーバリーのバックをクリーニングして欲しい」と持ち込まれました。
綿の帆布素材に革が部分的に使用されているバックです。
写真ではわかりませんが、全体にいろいろ細かく汚れています。
処理する前に、この手の「綿と革を使用したバック」の注意事項を
みなさんにお知らせしましょう!!
1:バックは洗うことを前提に作られていません!
基本的にバックは洗うことを前提に作られていません!ので
構造を良く考えて、クリーニングや家庭洗濯をしてください!
素人の安易な考えでの処理は大変危険です!ご注意ください!
2:家庭洗濯機で水洗いしてはいけません!
綿と革を使用した製品はバック・洋服に限らず、
水洗いすると色が出ますので、洗ってはいけません。
3:汚れやシミ部分をシミ抜きしても、
スレや摩擦のキズが残る可能性があります!
綿の帆布製品に多いのですが、シミや汚れが付着する時、
摩擦によってスレのキズが汚れと一緒に付着し、
シミ抜きしてもキズが残ることがあります。
新品になれば、なるほど、この症状が出やすいのでご注意ください!
主にこの3点を特に注意して、
ご家庭での処理やクリーニングをご利用ください。
では処理していきましょう。
処理方法としては、部分的にしみ抜き処理をし、
その後ドライクリーニングですすぎ洗いします。
油性、水溶性のシミ抜きと処理していき、
全体のくすみをとる為、ドライクリーニング処理し、乾燥します。
熱乾燥しますが、その後も自然乾燥させます。
乾燥後、形を整え、撥水処理をして完成です。
今回のバックは、写真では分からない汚れやシミでしたので、
写真では違いが分からないと思います。
でも、きれいになりました。
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
「安いクリーニング屋さんに出したら、デコボコになってしまったんですが」
とバーバリーのネクタイが持ち込まれました。
「買うにも、結構値段がするので直りませんか?」とのことです。
見てみると、ネクタイの芯地が上側に返ってしまっています。
厚手の弾力性のあるネットに入れて洗えば、このようにはならないのですが
、いけませんね!!
もっと、やさしく洗ってもらわないと、ダメですね~!
では、直していきましょう!
まず、ネクタイの「かんぬき」部分を解いて中の芯地を動かせるようにし、
霧を内側に打ち、芯地部分を湿らせます。
頭の中で芯地の状態を思い浮かべて、芯地の返りを手でほぐします。
元の状態に戻ったことを確認して、蒸気を当て直します。
次に、表地のデコボコを直します。
表地に霧を打ち、200度弱のアイロンをやさしく当て仕上ていきます。
この辺は、企業秘密ですし、熟練度を要します。
ネクタイは、ペチャンコに潰して仕上てはいけませんので!
みなさん注意してください。
そして、やさしい蒸気でアタリを消します。
この後、しっかり乾燥させて、完成です。
表面のデコボコや芯地の返りも無くなり、きれいに直りました。
ネクタイだって馬鹿になりませんからね!
しかもまだ新品に近い状態ですから!
よかった!よかった! ではまた。
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
みなさん、カシミヤやアンゴラコートの虫食い!頭にきますよね!
特に表面の毛だけを、舐めるように食べられてしまった虫食い跡!
「直らないんじゃないかしら?」と諦めないでください。
なんとか直りますよ!
下の写真は、アンゴラコートの虫食いですが、
表面の毛を食べられた、良くある事例ですよね。
こちらを修正していきますと、
このようになります。
いかがですか!
きれいに直っていますね!
ただ、穴が開いてしまった虫食い跡は、残念ながらきれいに直りません。
どうしても、修理した箇所が分かってしまいます。
残念ですが、ご注意ください。
みなさん、カシミヤ・アンゴラコートの虫食い、諦めないでくださいね。
表面を舐めるように食べられた虫食い跡は、きれいに直りますよ!
ご相談ください
しかし、虫食いに合わないのが、一番ですから!
使用後のクリーニングと防虫剤をお忘れなく!
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
なかなか年代物のトレンチコートが持ち込まれました。
「閉まっておいたら、シミが出てきているのだけれど、とれるかしら?」
との事です。
見てみると、よくある古いシミです。みなさんも見覚えがあると思いますが、
こんな感じです。
正直これは難しいシミ抜きです。
写真の部分だけが良く目立っていますが、
全体に薄く黄ばみが広がっていて、コート上部と下部では色が違っています。
このような状態ですので、大変難しいシミ抜きになります。
みなさん、何か薬品をつければ「サッと」取れるかとお思いでしょうが、
残念ながら、そう簡単にはいきません。
これだけシミが古いと、なかなか取れませんし、
取れて欲しいシミは取れずに、色が抜けてしまいます。
お客様には「完全にはなりませんが、出来るだけの範囲で処理しますね」
とお伝えしました。
処理としましては、まず水溶性のシミ抜きをして、
次に、地道に少しづつ、少しづつ漂白をしてシミ抜きしていきます。
本当に簡単に色が脱けてしまいますので、少しづつシミ抜きします。
本当ならこの後、水洗いをしたい所なのですが、残念!
このコート、すでに全体に黄ばみがあり、
しかもよく見ると、上部と下部では色が違っています。
これでは、もし水洗いをすると、黄ばみや色ムラが逆に目立ってしまいます。
ですので、今回はドライクリーニングの処理になります。
さて、シミ抜き後このようになりました。
みなさんは、どう思いますか?
よ~く見れば分かりますが、まあOKでしょう。
まさに80点です。
黄ばみが目立たないように、プレスして完成です。
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
「他のお店で、取れません!と言われたのですが」と
ワイシャツが持ち込まれました。
見てみると、確かに古いシミが付着しています。
触ってみると、すでに硬くなっています。
「どこまでできるか、わかりませんが、予算の範囲でやれるだけやりましょう」
と返事をしてお預かりしました。
こんな感じです。
さて処理をしていきましょう。
触って、すでに硬くなっていますので、まず油性処理をしていきます。
油性のしみ抜き剤を付けもんでいきます。これを何回か繰り返していきます。
するとかなり薄くなりましたので、しみ抜きガンで叩き、すすぎます。
このあと、ワイシャツとして洗います。
アイロン仕上げをしてこんな感じです。
よ~く見れば、薄っすら見えるかもしれませんが、予算が予算ですので
これまでですね。
この手のワイシャツは、あまりお金を掛けると新品が買えてしまいますので。
まあ、良しですね。
一応、これ以上の処理としては、酵素を使用して処理します。
後は、予算次第です。
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
みなさん、「洋服のシルエット」ってわかりますか?
「なんとなく分かるけど、本当はどうかな」と思いませんか。
実際に洋服の構造を理解している人は、ごくわずかしかいないと思いますし、
ほとんどの方は本当の所、分からないと思います。
ましてやクリーニング屋さんで、洋服の構造を理解しているお店となると、
本当に少ないと思います。
実は私、メンズテーラードの技術を習得しています。
平成17年より勉強しはじめ、
実際に生地を裁断したり、縫製したりできませんが、
洋服が1着仕立てられるように勉強中です。
テーラード・プレスは大得意ですが!!
テーラーの勉強をしていくと、いろいろな所にいろいろな技が使われています。
みなさんが思っている以上に、
癖取り、いせ込みのアイロン技が使われています。
洋服の構造を理解すると、アイロンがいかに重要かが理解できるようになり、
どうしたらシルエットが壊れないかを考えてクリーニングするようになります。
実はこれ、非常に重要な考え方なんです。
一般的なクリーニング店では、汚れ落しを最重要課題として考えていますが、
当店では、洋服の構造を最重要課題として考えクリーニングいています。
また、テーラーの勉強をするようになり、
新品より上の状態を考えるようになりました。
「新品より上って~」と思われるかもしれませんが、
意外に既製服とかは、新品より上の状態になりやすいです。
ましてや最近の既製服は、生地は一級品で縫製は中国が当たり前ですから、
なおさら良い状態になりやすいです。
下の写真はだいぶ疲れたカシミヤのジャケットですが、しっかり復元されました。
きれいにシルエットが作られていますね!
これがハンガーの状態ですと下のようになります。
このように、シルエットがきれいに作られたジャケットは、
内側にカーブするようになります。
みなさん、ハンガーに上着を掛ける時は、内側にカーブするように
ハンガー掛けしてくださいね!
洋服が長持ちしますよ!
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、
袋井のメンテナンス・クリーニングしみず です。
みなさん、カシミヤのジャケットやコートの仕上がり満足していますか?
ボボけていたり、毛布のように厚ぼったくなったり、
硬くガビガビになっていませんか?
ちなみに、カシミヤのコートとか、どうやって仕上るかご存知ですか?
一般的にクリーニング屋さんだと、
人型のボディーに着せて「ブァー」と蒸気で膨らませて仕上る、とか
浮かしアイロンで蒸気をやさしく出しながら仕上る、
そんな感じに思っていませんか?
実際に、これらの方法で仕上げを行うクリーニング屋さんが多いのですが、
実は、これでは、ダメです!
これは、ただのしわ伸ばしにすぎず、仕上げには成っていません。
ではどうやって仕上るか?
本当の仕上げをお教えしましょう。
ドライクリーニングと水洗いクリーニングでは仕上の掛かる時間が違いますが、
内容は同じ内容です。
カシミヤの仕上は、アイロンでプレスをして蒸気でアタリを消していくのですが、
まず最初にやるのが、毛並みを整えることからしてます。
霧を打ち、毛並みを整え、生地を平らにします。
次に、コテ布を当て、霧を打ち、アイロンを当てます。
アイロンも「サッ」と掛けるのではなく、ゆっくり効くように掛けていきます。
こんな感じで、
シルエットを考え、ボリュームを殺さないようにテーラードプレスをします。
次に、アイロンのアタリ消しと毛並みを起こす為に蒸気を当てます。
人台か前肩の厚手のハンガーに掛け、
蒸気を当てながらブラッシングしていきます。
これで完成になります。
どうですか、みなさんのカシミヤはボボけていませんか?
毛布のように厚ぼったくなったりしていませんか?
せっかくの洋服が泣いていますよ。
問合わせはメールで tetuya6181@po2.across.or.jp まで、